スイーパーその12
※腹責め小説
スイーパーその12
「いつまで腹抱えてんだ?」
佐渡は拓の両手首を無理やり掴んだ。
「ほら、バンザイだ。よく腹を見せろ。」
激しく嫌がる拓だが力では佐渡には敵わない。
壁に拓の肉体を強く押さえつける。
「何か言うことはあるか?」
「地獄に…落ちろ…。」
「そうか、地獄の苦しみを味わいたいか。俺の膝でいいな?」
ズンンッッッ!!!!!!
「お…おごっ!!!…」
拓のレバーを佐渡の膝で潰す。
「あぐっ…手を…放…は…ぁ。」
「ああ、いいぜ。」
パッと手首から手を放す。だが、
ゴボォォォ!!!!!
重心を落とし腰にひねりを加えて威力を増した拳は真っ直ぐに腹を貫いていた。
その拳は既に腹に力を入れられない拓の腹筋の中に埋もれている…。
「げふっ!!!…がはぁ!!!」
拓の体は壁と拳に挟まれて宙に浮いている状態だ。
力を無くした足が地に着くことも出来ずにいる。
「どこまで埋まるかなぁ!!!」
さらに腹の中に拳が奥に埋まっていく。佐渡の手首まで完全にうまってしまった。
「があっ!!!!あっ!!…あっ!!」
咄嗟に佐渡の腕を掴み埋まっている拳を引き抜こうともがき苦しむ拓。
腹の中を直接かき回されている感覚が襲ってくる!!!
「そう暴れるなよ。」
ゆっくりと腕を引き抜く佐渡の目には潰された拓の腹筋が見えた。
「ぐおぉ…俺の…」
凹んだ腹筋を抱え再びその場に蹲る拓はその苦痛に顔をしかめる。
「腹もよくほぐれただろ?」
「…うぅ…おえぇぇっ!!!」
残り少ない胃液を吐き出す拓の全身は滝のように汗が噴出していた。
「いい声で鳴くお前は最高だ。」
「(こい…つ、や…ばい…)」
佐渡は膝を立てて拓を頭上まで持ち上げる!!そしてその膝の上めがけて
拓の腹筋を押し付けるようになげつけた!!
ドボォォォ!!!!!!!
膝に腹部を強打し、そのまま人形のように跳ねながら拓は倒れている。
「ううっ。」
そのまま容赦なく腹を足で踏み潰す。
ズムッ!
「はぅ!」
「ん?内臓マッサージは気持ちいいか?」
ボディ!ボディ!
「遠慮するなよ。」
「はうっおうはうっはうっ!!」
ボディ踏みの連発。面白いように腹に埋まるのを確認しながら右足、左足にと重心を傾ける。
ドスッ!ドスッ!ズムッ!ドスッ!ドスッ!ズムッ!ドスッ!ドスッ!ズムッ!
「あっ・・うっ、うっ、はがっ!ごふっ!!!」
我慢できずに拓の口から流れ出る液体…。
「うごぇぇっ!!!」
「ここらが限界か?そろそろいいだろ、吐かせてやるよ。胃液も飽きたしな。一発決めてもいいだろ。」
腹をかばう様に体を縮めている拓の姿に更に興奮した佐渡。もう止まらない。
拓の頭を掴みそのまま体を持ち上げ…、そして拓の顔を自分の目線まで近づける。
「俺の肘をくらってみるか?その腹筋の鎧に。」
そう言うと、軽々と拓の体を壁際に投げやり、肘を突き出し勢い良く突進する!!!
ドボボボオオォォゥゥッッ!!!!!
壁と肘に挟まれた腹筋の鎧。
「は…らが…」
深く突き刺さった肘がめり込んでいる…。そして、
グチャッ!!!という奇妙な音が駐車場に響いた。腹筋を潰し、胃袋が完全に潰された音が…。
「……はうっ………!!!」
「……は………ぁ…!」
拓は体をようやくくの字に曲げ肘で潰された腹を両腕でおさえた。
「う、ご……」
拓の腹筋がビクンビクンと激しく波打ち伸縮していく。
拓の顔にはアブラ汗がしたたりゆがみ、目の焦点は空を彷徨っている。
「いい顔だ。そらよ。」
ズドォォ!!!
止めにと追い討ちでボディブローを鳩尾に放つ!
「ごふっ!!!」
腹に拳をめり込まされそのまま体を持ち上げられている…。
拓の目が今までの無く大きく見開かれ、
「!!!!!……うぐぇぇぇぇぇっっ!!!…」
口から粘っとりとした血を吐く拓。それは口から涎のように垂れ下がっている。
それが糸を引きピチャピチャと床に落ちていた。
「おえぇ、げはっ、ぐえぇ!!!」
膝をつき両腕で潰された腹を抱え込みうずくまっている拓。
全身が筋肉の塊と言われている拓の体がビクッビクッと痙攣している。
「おうぇ!!!…ぅ…ごふっ!!!…ぉ…ぁ…」
「仕上げに…。」
「うぅ…はぁ、はぁ、はぁ…」
再び拓をバンザイの状態にし、壁に押し付ける。
「臓物の掃除だ。」
拓の腹筋をなでる。そして拓の腹部を満遍なく膝で突き刺し、拳で確実に潰していく…。
10発…50発…100発…
ゴボォッ!!!ズンッ!!ドズゥッ!!ボグォォ!!!―
「かはっ、おぐっ、うえっ!はうっ…はあっ…ぅっ…!!」
段々と弱くなる呻き声を上げる拓に反応し、更に力を増し容赦なく責め続ける佐渡。
「はうっ…はうっ…はうっ…!!」
拓の腹筋がビクビクと激しく動き続ける…。
拓の首筋の血管は今にもはちきれんばかりに太く浮き上がり、
それに呼応して拓ののど仏が上下に動き、口からはだらだらと血反吐などの液体が体の筋を伝い流れ落ちている。
ボキッッ、ベキョッ!!!
「ぐあっ!!!がっ(アバラが…)」
「折れたか?いい音だったな。」
ドムッ!!!ドボォ!!!
「おぐぇっ!!!…ぅっ…ぉぅ…」
拓の腹がドス黒い紫に変色しても尚、佐渡の腹責めが続く…。
「いよいよボロ雑巾みたいになってきたなお前。半殺しにされた気分はどうだ?くくくっ。」ボディ!!!
グボォォォ!!!!!
「ぐえっ!!!」
「止めろ…。おい…、貴様…いい加減に…。」
海堂の声が怒りに震える。
「かはぁっ!!!!」
「おっと鳩尾に入ったか?」
拓の腹筋を触りながら佐渡は言う。拓の肉体はビクンビクンと痙攣を繰り返している。
「止めろぉぉ!!!!!」
海堂の悲痛な叫びが再びこだまする。
「…いちいち煩いですね海堂さん。」
ドサッ―
拓の腕を放すと、拓はその場で崩れ落ちるように前のめりに倒れた。
「先に逝きますか?」
冷徹な目を向け海堂の方に歩く佐渡。だが―。
「ん?」
途中、何者かの手が佐渡の足をつかんで放さない。
「お前も往生際が悪いな。その手を放せ。」
「放すか!!」
涼二が佐渡の足に纏わりついている。
「この!!!」
「ちぃっ!!!!」
バランスを崩し後ろによろけ、倒れそうになる佐渡。
「拓…後は…。」
「さ、佐渡の兄貴!!!!」
浩司の声が届くのは、やはり遅かった。
「うっ…ぐっ、助かったぜ…涼二…。」
脇腹を押さえながらも立ち上がっていた拓。
意識が朦朧としながら、(涼二が作ったチャンスを無駄にはしない。)それだけが頭の中に流れた。
「これで―。」
佐渡の目には、既に拓が自分に向かってハイキックを仕掛けているのが映った。
(最後に残った力だ…。)
意表をつかれた佐渡にはもはや避わすことも出来ない―。
「なっ!!!」
バキィィッッ!!!!
「があああっ!!!!!」
「ぁぁ・・・・・」ドシンンッッ―。
テンプルを見事に打ち抜かれた佐渡は力なく顔面から地に伏した。
「はぁはぁはぁ(もう…)」
ドサッ―。
再び拓も崩れ落ちる。
「拓!!!」
虫の息。腹を責められ続けてかなりのダメージが蓄積しすぎたのだ。
「酷い…」
涼二は拓の腹をそっと擦る。
「ぉ…ぅぅ…」
顔をしかめる拓。その逞しい腹筋に守られていた内臓が悲鳴をあげている。
「(ここまでか…)」
バシュバシュ!!!!
突然の音。
「!」
佐渡の体が若干飛び跳ねるように動く。
「何やってんだかなー、ったく。」
浩司が佐渡の体に向かって何発か銃弾を撃ち込んだのだ。
「折角の交渉も台無しにしやがって…。お前の快楽に付き合わされる俺の身にもなれよなー。」
バシュ!!!
「それに、交渉が終わってからお前を消すつもりだったのに…段取り狂わせられたのはこっちだぜ。」
バシュ!!!
「最近こっちの業務にも支障がでるぐらいだったからな、あんたらの過剰な遊びも。
建前だろうが、『社員修正のプロ』が笑わせてくれる。勝手に行動し過ぎなんだよ。
上にとっては黒たちだけじゃなく、あんたも邪魔になってたの気付かないのかね…馬鹿が。」
バシュ!!!
「普通の仕事と違って、表に出すと危険な情報を知りすぎてて首に出来ないのも困り者だ。
首=死だからな。そこは同情するぜ。」
呆然とその光景を眺めるしかない海堂と涼二。
浩司がその様子に気付くとようやく海堂に一言話し始めた。
「こういうのも監視役がいないと統率が上手くいかないものでね。大変だ俺も。
…そうそう、今回は見逃してやるよ。おそらく俺らの組織もこの企業からは手を引くだろう。
見切りはとっくについていたのさ。今回の件は優位に事が運べば儲けものだっただけで、
既に内部分裂の決着も今の段階で明らかに判明している。これ以上ここにいても仕方が無いからな。」
「くそっ!お前らが来てから…。」
「そうだな、甘い汁は吸い尽くしたからな。ははは。…じゃあな。」
浩司は傍に止めてあった車でそのまま夜街に出て行ってしまった。
その向こうにあるであろう月は何事も無かったかのように光輝いているのか…。
ふと海堂は時計を見たくなったが何処かに落としたのか腕時計が見当たらない。
「何なんだ…あの人は…。」
突然自分にはわけの分からない事を海堂に話し、何処かに消えてしまった浩司。
今までの雰囲気と違った浩司とその話に涼二は頭がついていけなく、ボーッとしてしまっている。
「ぅ…っ…」涼二の腕の中で拓が呻いている。
「!!そうだ、拓を早く!!!」
「ああ、そうだった!」
拓たちが雨の日に偶然に聞いた声からの顛末。
ようやくその衝撃的な1日が終わり、日付が変わろうとしていた…。
スイーパーその11
※腹責め小説
スイーパーその11
ウィーー
エレベーターは地上に向かって動き出した。
一瞬悲鳴のようなものが聞こえた気がしたが今の2人にはどうでもよかった。
「拓…。」
「分かってる。これは罰だな、自分の驕(おご)りがあったのも…。」
静かな空間。
「怒ると周りが見えなくなるのは以前からでしょ。」
「ははは、そうだな。」
安堵した笑い声のなかに拓の心情を感じていた。
「あの時言った言葉は半分は本当だよ。嫉妬もしてるし…、拓に憧れてるのも。」
「…涼二といるのは何か意図があるからじゃない。ただ一緒にいるだけで落ち着くし、
何より心の底から笑えて楽しい時はいつも涼二がいた…。」
「僕もそうさ。拓といると何だか安心する。でもそれが一番大事なことだって分かったよ。
あの時負けそうになったけど、拓となら何とか出来ると言い聞かせたから。」
ふと数分前の出来事を思い返す2人。
「あ…、ごめん。拓殴っちゃって…。」
「うん?あの場は仕方ないさ。でも結構強かったぞ。何気に。」
「そ、そう?ごめん…。」
「いいってまったく。また何か嫌なことがあったら俺の腹を貸してやるさ。
サンドバックにされて一段と鍛えられた気がするからな。ははは。」
無理やり腹筋に力を入れる拓。隆起した腹筋は涼二の目を虜にする。
「それは本気にしていいのかな?」
目が本気だ。
「えっ…ああ。(何だか積極的になったか?涼二)」
-----
「(エレベーターの起動音?誰かが上がって来てるのか?)」
「ああ、心配するな。浩司の奴に後始末を頼んでいたからな。」
後始末?意味が分からない海堂は眉間にしわを寄せる。
まもなく機械音が止みエレベーターの扉が開く。
佐渡の言葉どうりエレベーターから降りてきたのは浩司…、では無かった。
「(あの馬鹿…。)」
「親父!?何でここに?」
「おじさん?」
地に伏している海堂が咄嗟に目に入ったのか2人とも同時に声を発していた。
「拓!!お前、その体は…。」
腫れ上がって所々紫に変色している腹部。
「お前等、拓に何をした!!!俺だけに手をだせばいいだろ!!!くそっ卑怯な!!」
「ああ、偶然小口を殺った場所で我々を見られましてね。遊び道具として連れてきたんですが…、
後であなたの息子だと分かった時は驚きましたよ。良い拾い物でした。」
『佐渡…』
拓と涼二は海堂の横で腕組みをして立っている男の名を呟いた。
「それにしても黒の奴。こいつを半殺しにするどころか逃げられたのかぁ?傑作だな。」
佐渡は予想外の展開だったのか嬉しい誤算だったのか…今までに無い高笑いをしている。
ワザとではあるが…。
「ん?その手に持っているのは何だ?」
こちらに向かって進んでくる佐渡。その気配に腰が引けそうになっていく。
「こいつ!!!」
銃を構え佐渡に向かって発砲する動作をした涼二だったが―。
カチッ、カチッ…。
弾が出ない!!!
「えっ!?」
「残念。あまり調子に乗るからだ。」
佐渡はこうなる事が分かっていたのか、迷い無く歩みを進めていた。
「あ…あぁ…あ…。」
「お前には用は無いんでね。」
佐渡の動きに目がついてこれない。左目に微かに何かの影が映ったが、そこで涼二の意識は飛んだ。
ゴスッ!!!
「が…」
殴られた涼二の体は数メートル程ごろごろと転げ回った後ピクリとも動かなくなった。
「なんてことを…」
「涼二ー!!!」
拓の悲痛な叫び声が広い駐車場に響く。
ウィーー…
「ようやくか。頃合をみて、こいつらと一緒に来いと言ってたんだがなぁ。」
再びエレベーターのドアが開いていた。降りてきたのは浩司だ。
「すんません。段取り狂ってしまいまして。」
「…まあいい。後始末さえ出来てたらな。」
少しイラッとした佐渡だが諦めてため息をついている。
「はい。ゴミを大人しくさせて来ました。後で捨てておきます。」
「ああ。綺麗にしておけよ。」
「ゴミ?」
「いえ、組織のゴミを掃除しただけですよ。海堂さんには関係ありません。」
(怪訝な顔も当然かと思うが話を元に戻させていただく。)
「さてと…。それはそうと海堂さん。来ていただけますよね?」
チラリと拓の方に目をやる佐渡。
「くっ…、こいつ…。」
「じゃあそこでこいつがただの肉塊になるところを見ててください。」
薄ら笑いを浮べる佐渡。
「!!!」
「今度の人質はお前の親父だ。サンドバック君。」
目の前に来た長身の男の威圧感。冷汗が止まらない。
「あ…なっ…」
「とりあえずおまえの苦悶の顔がまた見たいな、以前の続きだ。」
壁に背を向けている拓の耳元で囁く。逃げ場が無い。
「どこまで腹を虐められたんだ?ここはどうだ?」
ドムッ!!!
拓の胃袋を佐渡の拳で潰す。
「うぐっ!!!」
一発腹にボディブローをくらっただけで腹を抱えて蹲ってしまった。
「やはり父親似か。いい顔をするじゃないか。」
「は、腹が…おぐっ!!!」
「なんかこいつ言ってますぜ。」
「腹?もっとやってくれということだな。はは。」
「分かったからもう止めろ!!!お前らの言うことを何でも聞いてやる!!!」
海堂の声が佐渡の耳に届いたが、初めからその気は無い。
「楽しいのはこれからですよ。止めるのはその後でもいいでしょう?」
「お前!!!…くそ、放せ!!!」
浩司は既に海堂の身動きを封じるように体を羽交い絞めにしている。暴れてもビクともしない。
スイーパーその10
※腹責め小説
スイーパーその10
目の前にうずくまる筋肉質の肉体は荒い呼吸でその体を平常に保とうとするが、
上手く息が出来ないのか口を開けたままダラダラと涎を垂らしている。
「拓…いいよ…すごく。」
涼二はつい出てしまった自分の言葉に気付いてはいない。
この状況で興奮してしまっている自分を頭では理解したく無いと拒否していたが、
体は正直であった。周りが見えなくなっていた涼二を黒はそっとある部分を触れて確認する。
「っ!!!何を!!!」
「こんなに感じてるなんてね、君も私と同じ性癖なのかな?ふふ、君を見たときから分かっていた事だけど、
これで確信したよ。」
(何を言ってるんだこの人は)
「まだ分からないのかな?嫌、分かってるんだけど認めたくないのか。拓君が腹を殴られる度に
君はどんどん興奮していった。証拠は…言わなくてもわかるだろ。」
「昔の私とよく似ているよ君は…。
これを自覚した状況も君みたいに知り合いが目の前でボコボコにされた時でね。
あの時の興奮は最高だったなあ。そいつも私の代わりに…ね。ははは。」
自分がこの男と同じ…。
「それにしても君も可哀想なひとだ。親友だと思っていた彼からは関係ないと言われ、邪魔者扱い。
同じ目線で扱ってくれないなんてねぇ?どうしてそんなに頼りにされてないんだろうね…。」
「それは僕が…弱いから…。」
「涼二は俺が巻き込んだだけだ、手をだすな!!!」
立ち上がった拓は今まで味わったことの無い不安を感じていた。
「またか。そうやって自分だけで問題を解決してきたんだろうけど、
それで彼はいい気分になれるとでも思っているのかい?
いつも守ってやっているという変な自信が彼を傷つけることにもなるんだよ。今もね。
信頼されていない、役にも立たないと思われていると感じてもしょうがないね、これじゃ。」
「…」
「そうだな…、君は彼にとっての癌なんだよ。取り払わなければならないな。」
「浩司、銃を彼に渡せ。撃てる状態にしてな。」
浩司が銃を構えていた腕を下ろし、涼二の手に黒く冷たいものを渡した。
拒否せず黙って受け取る涼二の姿を拓はじっと見つめる。
「その前に、ほら拓君の腹筋を触ってごらん。」
「うっ…」
一瞬小さな拓の呻き声が聞こえた気がした。
涼二は既に恐怖という感情でその場にはいない。
自分でも不思議とその事だけは分かるようだ。真っ青だった表情も何故か生き生きとしている。
一発、一発、拓の腹に打撃が加わる度に体が何かに反応するかのように熱くなっていったのも
徐々に理解し始めた。
「凄い…」
すんなりと黒の言葉を聞き入れ、逞しく割れた腹筋に涼二は強く手をそえた。と同時に体中がさらに熱くなる。
「拓…、やっぱり拓は凄いよ。僕なんかが敵うような相手じゃないのは分かっていたつもりだけど、
少しはライバルとして見ていてくれた?拓にはそんな考えも無かったんだろうけど、
いつも自分を拓と比較していたんだ…。その都度落ち込んでばかり。
今だってそうさ。こんな体、僕には到底作れっこ無いや…。」
「学校でもいつも拓に嫉妬してばかりだったんだよ…。幼馴染ってだけで他に何のとりえも無い僕と
仲良くしているのは可笑しいって、そう思ってたんだ…。付き合ってくれるのは自分を引き立たせるための置物だと感じてた。
見下しているんじゃないかって…。でも今分かったよ自分の正直な気持ちが。」
「さあ、気が済むまでやれ。」
黒の囁きが涼二を行動に移す。
「…。」
ドボッ!!!
「おぐっ!!!」
「拓、腹筋に力いれてよ…」
グボッ!!!
「はぐっ!!!」
「僕の拳でもこんなに拓の腹筋に…。」
ドズッ!!!
「かはぁ!!!…涼二やめ…ぐあっ!!」
倒れた拓の上に馬乗りになって腹を責め続ける。
ボズッ!!!
「うぅ…や…め…」
「…僕の思い違いだった…。」
グボッ!!!
「あがっ!!!」
「拓の気持ちも…分かってるつもりになってたんだ…。」
ズブッ!!!
「げはっ!!!…や…」
「いつも守られてばっかりの癖に。そんなことにも気付かなかったなんてどうかしてるよね…。」
「ぐっ…。」
拓の臍の部分に銃口を突きつける。冷たい空気がその場を包み、拓は流石に目を瞑った。
ニヤリと笑う黒が涼二の視界に入る。
「でも、それでも…」
脳裏に拓の笑顔が映る―。
バンッ!!!
銃声が部屋の中で聞こえた…。
「ぐああああっっ!!!!!足がああああああっっ!!!!!」
痛みに叫びながら床を転げまわっているのは黒だった。
「例え偽りでも、その笑顔を見ているだけで僕は嬉しかったんだ、救われるんだ…。」
「今も救ってくれた…。だからもう受身にはならない。今度はこっちが守る番だ。」
銃を構えなおし黒に狙いを定める涼二の目には迷いが既になかった。
「涼二…お前…。」
「的を射るのは拓よりは得意だよ。さあ外に出させろ!!」
「ちっ。」
男達が涼二に向かい走り出す。
「まて。下手に動いたら撃つからな。」
「!!!」
「黒さん…。」
部下達は足を止めるしかなかった。
「くっ、初めて撃つにしては上出来すぎるな。…不本意だが…行かせろ。」
黒のニヤケた顔もさすがに苦痛の表情に変わっている。
「(上手くやれたか。)」
背広の胸に手を入れて動かない浩司は呟いた。
浩司は胸に忍ばせていたサイレンサー付きの銃を背広の中から隠れて撃てる様に握っていた。
いや、握っていただけでなく既に一発撃っていたのだが誰一人気付く者はいなかった。
そう、実際に黒を撃ったのは浩司である。涼二が撃ったのはただの空砲だ。
気付かれずにタイミングを合わせて撃っていた。
浩司以外は涼二達の方向を全員が見ていたので、怪しまれず、
独特の音も空砲の音に合わさり消され、さも涼二の撃った弾が黒に命中したかのように錯覚したのである。
「拓、立てる?」
「あ?…ああ…。」
涼二の行動に頭の整理がついていけないのか、拓はかなり動揺している。
「いこう。」
地上に向かうエレベーターに素早く乗り込む拓と涼二。
その姿をただじっと眺める男達からは更に殺気が一様に感じられた。
「(さてと、こいつらの後始末だな。あれ、先にあいつら行かせてよかったっけ?)」
「まあいいか。(どっちみちあいつも…)」
スイーパーその9
※腹責め小説
スイーパーその9
同時刻、車が出払ったビルの駐車場に長身の男がいた。
無表情な顔に腕組をしたその姿は、敵を待ち伏せするかの様な獣のオーラをその体から放っている。
「こんなに早く厄介者を黙らせる事が出来るとはな…。」
顔に笑みは浮かばせないものの、腕を組んでいる右手の指をリズミカルに動かしている様子に
―長身の男、佐渡は自分の心情は隠せないものだと感じていた。
―キュルキュルキュル!!
「煩いな。ふっ、無理もないか。」
静寂を掻き乱すタイヤのスリップ音が鳴り響く。
エレベーター近くに居た佐渡の場所に猛スピードで向かう車内には、1人の中年男性が運転している
のが佐渡には窺えた。その車は佐渡の目の前に止まると、
中からは鋭い目つきで佐渡を睨む男がスッと出てきた。静かだが怒りを押し殺しているのは明白である。
「さすがにお早いご到着ですね。海堂さん。」
やけに丁寧な口調で話す佐渡。
「…お前達が殺ったんだな。」
「?いきなり何のことです?私はただあなたに重要な話があると電話を差し上げただけですよ。
変な推測はやめてもらいたいですね。」
海堂と呼ばれた男は睨むのを止めようとしない。
「誤魔化さなくていい。あいつは、小口は最後、お前達から逃げている途中に俺と連絡を取っている。
あの脅え様…、雑音でハッキリと聞こえなかったが、お前達の名前を確かに言っていた!」
左手をズボンのポケットに入れてにじり寄る姿がフロントガラスに反射して写っている。
「…ああ、そのことですか。まあそういう事ですね。」
あっさりと認め、冷ややかに答える佐渡に海堂の怒りは収まらない。
「!本当だな!!本当にお前達が小口を!!」
「しつこいですね。そうですよ、私達が小口を殺りました。」
つまらなそうに吐き捨てる様子に一層海堂の目の色が殺気立っていく。
こいつは…
「お前!!何故殺した!!」
佐渡に掴みかかろうとするが手を振り払われる海堂。
「何故?あなた達と考えは同じですよ。排除しただけのこと、ただそれだけです。
それとも特別な理由がいるのですか?組織にとって邪魔な存在は斬り捨てる。
それはあなたとて同じでしょう?
私達がしている事を別の形で実行しようとしていた貴方達も。内部機密―、
私達の存在を消して優位に立とうとね。」
淡々と語る声が静かな空間を賑やかに、―いや、反対に重くしている。
「私達が加担している派閥とあなた方の派閥、やり方は違えどやっている事はお互いの潰しあい。
社員修正なんて名ばかりで、実際はこちら側に貴方達を取り込む手段にすぎないんですがね。
一言二言吹き込めば大抵はこちらについてくるんですよ。簡単にね。
取り込んだ彼らの扱いは今まで以上に良くなり、金回りも格段に良くなる。誰も文句はない。
飴と鞭を上手く使えば業績も上る、実際そうなっているでしょう?」
海堂の顔を覗き込む。
「だが、そんなのは長続きしない。」
「そう、そこで貴方達だ。とにかく貴方達はあらゆる事に反発して不愉快だ、
だが、必要悪とでもいうのか居なくなるのも困る。
競争相手に妨害されればされるほど人は成長し手段を覚え賢くなっていくものです。
そう言う意味では良く役に立っていますよ、私達が雇われているのがその結果です。
本格的に掃除する役目を担う…ね。
最近は貴方達の手応えがなくて残念に思っていましたが、あんな隠し玉で私達を欺いて…、
やはり侮れませんね。
私の部下、小口をいつの間に貴方の味方につかせたんですか?
まんまと殆どの情報を盗みだされてましたよ。
流石に「内部告発される…」と上層部も慌てたようで、直ぐに消すように命令がきましたがね。」
「…あいつは元々俺の部下だ。」
佐渡と目を合わせたまま逸らそうとしない。
「なるほどね、そんな以前から…。大層な隠し玉だ。ただの肉塊にするのは勿体無かったな。」
ピクリと眉毛を動かし不快な言葉に反応を示す海堂に、佐渡はため息をついている。
「あなたも馬鹿正直な性格ですね…、全くもって、そっくりだ。」
「?何を言っている。」
「いえ…。まあ、いずれ完全にここは2つに分裂し1つは消滅するでしょうね。既に内部では分かれてしまっていますが、どちらが上に、下になるんでしょう。
力関係をはっきりさせるのにこれほど分かり易いのは無いのでは?既に消えかけである反社長派の筆頭であるあなたに、立場的に飼い犬同然の私が言っても説得力はありませんか…。ははは。」
笑い声が駐車場にこだまする。一通り声の反響が過ぎ去ると急に真剣な顔になる佐渡。
「さて、重要な話がまだでしたね。…貴方はかなりの実力者であり危険な存在だ。」
「じゃあ俺も消すか?あいつみたいに。お前達にとっては何も利益にもならないだろうからな。」
ググッ―佐渡の胸倉をつかむ海堂
「その逆ですよ。あなたにこちら側に来てもらいたいんです。利益にならない?いえいえ、十分な利益が望める。」
「迂闊に反論させないために俺を監視と抑止に使うつもりか。社長のやり方に幻滅している俺が素直に言うことを聞くとでも思うのか?馬鹿馬鹿しい。」
…。
「そう言うと思ってましたよ。あなたに来てもらえば反社長派の社員は動揺し、勝手に自然消滅してくれそうですがねぇ。」
何かそれ以外にもあるような気がしてならない。海堂は佐渡の言葉の裏に何か別の意図があるように感じていた。
「そうですかぁ…、残念だな。」
目の前に線が動いたような軌跡が現れる。
グボッ!!
一瞬の出来事に佐渡の動きを完全に見失っていた海堂は自分の身に何が起こったのか理解できなかった。
「うぐぉっ!!!」
スーツ姿の海堂の腹に佐渡の拳がめり込んでいる。肌とシャツが擦れる感触に佐渡の
表情が徐々に猛々しく変わる。
「ぐっ、これが手段を覚え賢くなった者の答えとでも言うのか、結局力で捻じ伏せる!!」
ドズッ!!
「おうっ!!!」
「いい年してよく吠えるオヤジだな。これが私達の仕事なものでね。―その手を離せよ。」
ドボッ!!
「がはっ!!!」
腹を殴られるのに耐え切れず地面に蹲る海堂の頭を掴み、上を向かせる。
「いい体してるなあんた、腹筋の感触もいい。しばらく暇つぶしに付き合ってもらうからな。」
今度は反対に佐渡が胸倉を掴んで持ち上げている。
「うっ、誰がお前らの…」
「―拓君もいい声で呻いてくれたがなあ。」
「!!どういうことだ!!」
顔が真っ青になる海堂に冷たい視線を落とす佐渡。
だがやはり彼の心情は冷たい目とは裏腹に熱くなっていた。
「(拓君、今日はとことんついてないと言ったが訂正しよう。残念な事に今日はかなりついている様だ。)」
―交渉の切り札が勝手に舞い込んでくるほどに。
スイーパーその8
※腹責め小説
スイーパーその8
「まだ出し切っていないね〜。残ってるよいっぱいさぁ。その中に。」
アッパーを腹に打ち込む黒。
ドボォォッ!!!
「はうっ!!!」
拓の体が一瞬持ち上がる。
「君の内臓を使えなくしてあげると言っただろ?」
グボッッ!!!
「がはっ!!」
違う角度からも拓の腹に拳が打ち込まれる。
「俺たちもいること忘れるなよ、お前。」
ボディボディボディボディボディボディボディ
ボディボディボディボディボディボディボディ!!!
ドフッ!「おっ…」グボッ!「はうっ!」ドスッ!「ごはっ!」ドムッ!「うぐっ!」
ドゴッ!「かはっ!」ドゴッッ!「うえっ!」バキッ!「おうっ!」
ゴッ!!「かはっ!」ドッ!「がはっ!」ドフッ!「おっ…」
グボッ!「はうっ!」ドスッ!「ごはっ!」ドムッ!「うぐっ!」
ドゴッ!「かはっ!」バキッ!「おごっ!」
ズンッ!「ぐふっ!」ゴッ!!「かはっ!」ドッ!「はうっ!」
拓の腹は、重く鈍い肉の衝突音を部屋中に響かせながら、
ただ何度も何度もその腹部全体に拳をめり込まされ続けていた。
否応なしに体中から大量の汗が滴り落ち続けている。
そして誰かの腹部への突きで、拓はついに我慢していた胃液を吐いた。
「ごふっっ!!!」
「たまらんな!!」「お前のその顔すげええいいぜ。」
興奮した連中の連打による連打で、拓の腹筋はすでに使い物になっていない。
すでに100発以上その腹に拓は打撃を打ち込まれている。
まさに、人間サンドバック。拓の腹はさらに赤く腫れ上がり、
打ち込まれるたびに上下左右に揺れている。
呻き声をあげながら…。
その時、
ミシッ!!ミシッ!!ブチッ!!!
拓を吊っているロープが揺れに耐え切れず、ついに切れてしまった。
その場に転げ落ちる拓の肉体。
その事に対処しきれず、バランスを崩してしまったのか部下達は拓の上で倒れる…。
ズンッ!!
「はがっっ!!…あうっっ!!…おぐっ…!!」
部屋中に拓の呻き声が轟く!!
部下4人のうち、1人の肘が拓の右脇腹に突き刺さり、
また一人の膝が拓の胃袋を突き、もう1人の膝が拓の左脇腹に突き刺さった。
まさに突き刺さったという状態である。
拓の口からはだらだらと胃液と涎が流れ出ている。
「おっとごめんよ。」
「あらら、綺麗に入っちゃったな!」
「どうなった!?」
どうやら部下達はワザとバランスを崩した振りを見せていたようだ。
拓を見下ろす彼らの笑みが拓に屈辱を感じさせる。
「うぅ…お前ら…、わざとやりや―」
「俺もついでにやらせろよ!」
残りの部下が拓の腹の上に飛び乗る。
ミシッ!!メキッ!!
「ぐあああああ!!」
予想だにしていない不意打ちをまともにくらったのか、
拓は部下たちを振りほどき、まさにくの字に体を曲げている。
そしてそのまま体を横に向け腹を抱えてうずくまってしまった。
「うっ…うあっ…ああああっ…おごっ!!」
「げふっ・・・・」
たまらず胃液を吐き出す拓。腹筋がビクンビクンと波打っている…。
「おいおい君たち、拓君が困ってるじゃないか。ちょっと一気にやりすぎたかな?ん?」
拓は床に這いつくばっているが、どうやら立とうとしているようだ。
肩で息をしているのか、呼吸が荒い。
「何だ、まだ全然大丈夫だね。そんなに立ちたいなら立たせてあげるよ。」
黒は指で部下に合図を送ると、1人の部下が拓を脇から抱きかかえ上げる。
「ぅ…離せ!俺は!」
後ろの部下を突き飛ばす拓。
その様子をまたもクスクスと笑っている黒に…
「このクソが!!」
ついに拓は黒に殴りかかってしまった。
ゴスッ!!
拓の放ったパンチが黒の綺麗な顔面にヒットしている。
口の中が切れたのか唇から一筋の血が流れ出る。
それだけだった…。これ以上も以下もなく、
拓の最初で最後であろう黒への反撃はあっけなく終わったのである。
「ふふ、痛いなあ拓君。」
口元の血を拭き取る黒の目はまだ笑っている。
それはさらに狂気を増した黒を感じるには十分すぎるほどの目であった。
「あ〜あ、黒さんをマジにさせやがったよ。あいつ半殺しじゃすまないかもな。」
静かにその様子を眺めていた浩司が涼二に呟く。
「え?どういう…」
「体だけを痛めつけるのは佐渡さんの方が力も上だろうけどよ。
精神まで痛めつける黒さんはもっとえげつないと思うぜ、俺は。
あの人、他人の心の隙を突くのが楽しみらしいからな。」
(心の隙?)
ふっと脳裏に、黒のこちらを見透かしたような目が涼二に浮かぶ。
「そうか友達を見捨てたか…。残念だよ拓君。さあ浩司、涼二を殺せ。」
黒が冷ややかに浩司に言い放つ。
「!はい。」
浩司が銃を涼二のこめかみに突きつける。
涼二は反射的に目を瞑って、生唾を飲み込む音を自分の耳に拾わせた。
「ちが…、止めてくれぇぇ!!涼二は関係ないんだ!!お願いだ!!」
拓の空しい声が響き渡る。
クスクス薄ら笑いを浮べる黒の表情は周りに異常な雰囲気を漂わせる。
「へえ、ならどうして私に歯向かったのかな?
自分が歯向かえば彼は死ぬかもしれないと分かっていたんだろう?
怒りに任せて向かってきた君は、彼の事を一瞬でも忘れた。
どうなってもいいと考えた。違うかい?」
「私は非難はしないよ。誰でも自分の感情に素直になるのが一番だからね。
君は彼がいることで一方的に自分がいたぶられるのが気に触ったんだね。
彼がいなくなることで自分の頭にある心配が一つ消えるからねぇ。
いちいち彼の事を気にかけるのが馬鹿らしくなってくるよね。あれ?彼は君の一体何ナノかな?」
(僕は拓の何なのか…)
その言葉は涼二の胸にも深く突き刺さる。
(ただの友達?ただの幼馴染?…それとも本当に拓にとっては自分は"関係ない"存在?)
「…ぁぁ…」
「どうしたんだい?自分は彼よりも優位に立っているんだよ。彼の運命も君しだいなんだ。
友達なら友達でいいんだよ。でも友達を今見捨てたのは事実だよね。
それは裏切りというんだよ拓君。」
「別に私は君を責めないよ。それは君にとって賢い選択だったんだろう?
お荷物は邪魔だって自分で分かってるじゃないか。使えないゴミは捨てるのが常識だろう?
だから今そのゴミを始末してあげようとしているんじゃないか。なぜそれを止める?」
「うぅああ!!黙れ!!」
(俺は涼二の親友だ!友達なんだ!裏切る?違う!)
顔を真っ赤にし、また黒に殴りかかろうとする拓。
「拓!!」
涼二の声にビクッと反応し動きを止める拓。
「違う!ちがう…ちが…」
「君の体は正直だね。それはやっぱり彼を拒絶している証拠だよ。」
「涼二…違うんだ…裏切ってなんか…」
「それでも違う、か…。はじめから君が言ってる『関係ない』が真実ということか。
関係ないなら裏切りでも何でも無いからね。
つまり拓君にとって涼二君はゴミ以下ってことだそうだ。」
「な!!…」
力なくその振り上げた拳を腰元まで落とす。
確実に拓の戦意を削ぎ落とした瞬間だった。
「くく…、いいよ。この一発でさっきの私への攻撃は無かった事にしてあげよう。」
拓の腹を触るとある臓器の正確な位置を確認する。
そして、黒は身も凍る臓器ごとえぐりとるようなレバーブローを拓の腹に見舞った。
ドムッッッ!!!!
「がふっ!!!」
肝臓を射抜かれた拓はよろよろと腹を抱えたまま涼二の方へ歩くが、
急に膝を折ってその場にしゃがみこみ悶絶している…。
口を大きく開き、舌をだらんと垂らしたまま、声にならない声を出す。
「んんー!!!ぐぶっ!!」
レバーをピンポイントで狙われたのだ。
しばらく地獄の苦しみを味わうであろう拓の目の前には、
涼二が複雑な表情で自分をじっと見下ろししている姿があった。